「何かが眩しくみえるとき」/ベンジャミン
 
「先生のじゅぎょう、好きだよ」

その言葉が眩しい
たとえそれがしわくちゃの
紙切れに書かれた言葉でも

ノートの端をちぎって書いた
ひらがなばかりのその文字が
いまの僕には眩しい

「勉強つらそうじゃん」

似たような紙切れに
そんな返事しかできない僕に

「それをわかってくれるからうれしい」

その言葉が眩しくて
僕はときどき申し訳なく思う



 ちょっと理科の話をしよう
 中三で天体を習うんだけど
 きっと学校の先生は天体観測を課題にする
 夜空を眺めれば無数の星くずが見えるだろう
 
 僕なんてさぁ、
[次のページ]
戻る   Point(5)