「何かが眩しくみえるとき」/ベンジャミン
「先生のじゅぎょう、好きだよ」
その言葉が眩しい
たとえそれがしわくちゃの
紙切れに書かれた言葉でも
ノートの端をちぎって書いた
ひらがなばかりのその文字が
いまの僕には眩しい
「勉強つらそうじゃん」
似たような紙切れに
そんな返事しかできない僕に
「それをわかってくれるからうれしい」
その言葉が眩しくて
僕はときどき申し訳なく思う
ちょっと理科の話をしよう
中三で天体を習うんだけど
きっと学校の先生は天体観測を課題にする
夜空を眺めれば無数の星くずが見えるだろう
僕なんてさぁ、
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