都市伝説/吉田ぐんじょう
どに勢いよく
口紅で大きな口を描く
パールピンクの三日月である
それでいて
顔は逆光でよく見えないのだ
にたりと笑うその人は
母親というより
なんだか知らない女に見えた
「潜む男」
{引用=「一人暮らしをしている女性の部屋のベッドの下に包丁を持った男が潜んでいたが、気付いた女性の友人の機転で難を逃れる」、「少女が友人の部屋に忘れ物をしたので取りにいったが電気が点いていなかった。しかし、少女は電気を点けずに忘れ物を回収して帰った。次の日、友人がころされていて『電気を点けなくて良かったな』という書置きがあったことを知らされる」、「親が出かけていて愛犬と夜を過ごすこ
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