お隣りのひと/恋月 ぴの
 
避けがたいってことぐらい判っているつもりでも

「みゃあみゃあ言うの聞いてたら
なんだか中華料理食べたくなってきた」

相変わらずあなたは訳の判らないことばかり言っていて
気がつけば山並みの向う側から湿った風吹き抜けて
真っ黒な夕立雲もくもくと
わたし達の頭上に拡がってきた

雨降って地固まるってことばもあるし
いつかはきっと…だと嬉しくて

わたしまで中華料理食べたくなった


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