あんぱんを齧る宵/一番絞り
 
う、60ワットのまぶしい裸電球です。
農道を山のほうへ歩きましょう。
ぼくはその道がどこへ続くのかを知っています。
行き先もないことを知っています。
にしてもなんとあかあかと臆面もなく光る月でしょう。
満月は
ひとりで歩くぼくを照らしています。
さて、
こんな静かな月の宵は
あんぱんをかじって、そのほのかな甘さに
少しなぐさめられましょう。




#2003年02月17日(月) 20時47分14秒『あんぱんを齧る夜』を改稿
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