へば/佐々木妖精
ガキのころハマり倒したゲームの続きを
眠り込むまでやっていて
充満した電子音をかき分け
とにかく何か やっていないと休めなくて
うつぶせのままだったから 背中は痛いが
前に壊した肩ほど酷くはなく
おぼろげに過ぎ行く痛みだと思えば
愛しくさえある
電車の揺れる音
踏切りが相変わらず頭韻を踏む
それだけが夜明けを伝えにくる
走る電車に乗っているのが安心すると
アナウンサーは警告していたが
たぶんそのような理由で今
仮宿を渡り歩いている
無理して戻ってこなくていいよ
ホームで手を振り合い
別れに気づくまで十年近く
かかってしまって
飲み 喧騒を味
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