パノラミック/れつら
 
のにからだもこえも



パノラマ、というにはあまりに視界は狭く
そのわりにどこへでも行けるので
パノラマ風、ということになるのだろう、
斜め後ろに走れるかどうかを考える途中途中に
時間より速く
はやく

はやく

散り掛かる水が生命線で燃え
緋の袴の折り目からつづく山脈
朝までに切り結んでは解けていくシナプスの隗を
この窓辺から吊るしながらまた靴紐を絞め
鬱血した身体つきで縺れていく
刻むなら、痛みのあるやりかたで
痺れたまま夜の水底へ自然と呼吸が萎んでいくような美しさは
もう、いらない



光線があらゆる角度から眩しく、それが今日で
昼が終わるまでにわたしは赤い花弁をみんな摘んでしまう


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