嫌われ者/1486 106
嫌われ者は山に住んでいた
都会の人々に嫌われていたし
嫌われ者も都会が好きじゃなかった
嫌われ者は森が好きだった
澄んだ空気や木の実が好きだった
動物と会話することが出来るから
よくウサギや小鳥と一緒にいた
森の動物はみんな嫌われ者と仲良しだった
嫌われ者は嘘が吐けなかったし
感じたことははっきりと言うから
都会ではみんなに避けられていた
山の動物は嘘を知らなかった
みんなが正直に話してくれた
だから嫌われ者は自然が好きだった
毎日楽しく暮らしていられた
その頃都会では町長が変わり
山を切り崩す話が持ち上がった
動
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