視線浴びたい/江奈
あんたからの視線浴びたい
その日は朝から呼び出しをくらって親に嘘ついて車を借りた。少し遠回りしたコンビニに行って煙草とコーヒーと自分の煙草買って、車を走らせる。待ち合わせの駅に着くとケンタッキーのもう古びたおじさんの横でしゃがんで待つあんたが見えた。小さくもないのに捨てられた猫みたいだなアと愛おしさに似た、切なさとは違う。胸が擦れて擦れて穴だらけになっていくのが、気持ちよくなるのを感じてあたしは目の中でシャッターを、切る。
もしかしたら今夜やれなくてこれがあたしを満たすオカズになるかもしれないと大きく息を吸って名前を呼び捨てにしようかどうか悩んだ挙げ句、名前だけを呼んだ
「ご
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