学期末の落胆/六九郎
いつかは埋められるという
期待を滲ませて
私はそこにいた
そんな私の上を
そんな私の気も知らず
あなたはまるで踊るように
通り過ぎていった
鼻歌でも歌うような気軽さで
慎重さに欠ける気楽な態度で
私は何物をもっても
もはや埋められることはなく
ただびょうびょうとした空白のままで
ただ真白い四角のままで
あなたに汚されることもなく
そのまま
放置されたまま
いまでもあなたを
待っているのだ
どんなにか
私はうらやんだことだろう
たとえ誤答だったとしても
どんなに陳腐な答えだったとしても
あなたの言葉でもって
埋められていく
他の空欄達を
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