雨の日の庭、傘から聞く風景/RT
私には
雨の日にしか現れない庭がある
窓を開ければ
雨音がこちらまで反響する
そこにあるすべて
落ちている小石、葉の連なり
紫陽花の花のひとつひとつ
存在という音が聞こえる
天から地まで、空間がそこにあること
広がりを奥行きを響きで知る
面会に来たあなたは
足音を立てて私の窓に並び
目を閉じて、私の庭を理解しようと試みる
雨が好きなんだね、とあなたは言う
そんなものじゃないわ
あなたに見つからぬよう
玄関に手探りで行き
まだ滴が残る傘を
口に含もうとするたびに
いつも叱られる
ポエニーク内 即興ゴルコンダより
(2008/06/29(Sun) 11:16:20)
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