青い庭/AKiHiCo
唯一の愛だったのに
このナイフが背徳
誰が言えるのだろうか
合わせた掌 交わる指
だけど
心はもう重ならない
そう知った
人間は誰かに依存して
依存を愛だと履き違える
だからこそ裏切りが
その後ろに付いて回るんだ
勢いよく彼女を抱き締めた
その右手には赤く染まったナイフ
あの眼は人間の眼だ
僕の傍に寄るな
今更気付いたんだよ
僕は
箱庭の監視者――
僕は裏切られる程愚かな者じゃない
あの眼をした者は不潔
錆付いたスコップを握り
見知らぬ庭で
あの眼を埋めてしまうんだ
この世界に在っては
穢れてしまう
どうして世界に蔓延る害を
駆除する者がいないのか
プロローグ――
深夜、笑いながら庭に佇む男
近隣住民が不審に思い通報
後、男は獄中にて神と名乗り
妄想的な言動を繰り返した
神 あの眼 楽園 人間
上記の単語を多用し
机に頭を叩き付けながら
発狂した
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