空に浮かんだ溺死体/遊佐
 


晴れ間を見ることもない季節の真ん中で、
僕は、一人、
梅雨の空の底に沈んで
ゆらゆらと漂い、
腐って行く。


空に浮かんだ溺死体、つつく魚もいない。


途切れない雲は
灰色の、鈍色で、
痛みや、絶望とは無縁なのに、
朽ちて行く魂には相応しい彩りで、

透明で清涼感溢れる
夏空の青や、
雨の終わりに輝く虹の七色には届くことない僕の、彩りとなる。

ぷかぷかと
空の底に浮かぶ溺死体
見上げれば、宇宙
見下ろせば、地球があり
僕は、世界の外に
魂と、肉体を切り離し漂う

身体は、
今日も、
アスファルトの上で腐りもせずに、
無味無臭のまま
置き去りに、



魂だけが、
途切れない雨の底、
空を漂う。



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