圧縮せよ/つぐこ
 
、ね、犬、の、昭和歌謡曲・・・・は、ペットボトル
、・・・・、ひ・・・・あまの川・・・・ふ、プりン・・・・、
・・・・へ、テレビ、ホ、フクロウ・・・・。

嘲笑が、頭を掻き回している。
ぐるぐる言葉が回る、何かを思い出そうとしているけど、圧縮しておく。

でもね、あなた優しすぎるのよ。
甲高い声が猫背を叩いた、それから、OLは泣いた、
困ったようにコーヒーを飲むサラリーマンも、断片的な記憶になっていく、
OLは、自分の太ももに爪を立てていた。

喫茶店を出ると、圧縮していたものが音をたてて解凍した。
断片的な言葉が現実味を帯び始めた、
その言葉を集めて、矛盾をつくってから、また夢を見る。


戻る   Point(4)