蛍火 /guchi_k
ひたちなか
友人とふたりで
谷津田に向かって 声を発していた
ふとその時、季節にはまだ早いホタルが一匹
なんだか人魂のようにフラフラと飛んできた
声に誘われたかのように
何かを伝えようとするかのように
こちらの心にも光を与えて
またフラフラと去っていった
花巻の山中
沢沿いにとめた車
山に向かって朗読して、
その後、電気を消して一休み
すると何かが光っている
真っ暗闇にただひとつの青き光
その光の輪の中に自分はいた
じっと足の上で光っている
まるで光るボタンのように
花巻のため池
蛙の声が響き渡り、
次第に薄くなる光の中
すーっと光が池のほとりに走る
青き流れ星のように
すーっ すーっと
浮き葉が光に浮かぶ
林にも、すーっと走る
光が走る瞬間、一瞬、蛙の声が消える
池はたくさんの光に包み込まれていた
魂の 宿りて光る 蛍火よ
(ver.1.2 2005.6〜12.3作改詩)
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