ペテン師の脳みそは広がらない/土田
のくせに
その時のぼくはまだ餓鬼だった
いまは毎日ぼくのマンションに入り浸り
いつもハーゲンダッツを買ってくるくせに
自分の金で買えと言い一口もくれない
付き合っているはずの彼女の
羊水のなかで暮らしたいと思っている
どうでもいいけど
どうでもよくないこと
さっきから小脳みそのなかの小惑星たちが
手をつなぎ薄笑いを浮かべている
薄笑いをしていいのは詩だけだよね?
ね?
ね?
三回確認をとらないとぼくは不安で暮らしてゆけない
右脳が父か
左脳が母か
小脳をカリフラワーと呼ぶか
ブロッコリーと呼ぶか
どうでもいいけど
どうでもよくないこと
・ 脳みその
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