詩人/
寅午
かれらは実体のない闇を
ハーレーにまたがり、疾駆するライダー
おのれの直感を信じ
自由を標榜し、暗い闇を疾駆する
ときに、みずからを絶望のふちに落とし
ときに、沸きあがる激情のままに
空を飛翔し、海をわたり
ときに、石像のように
億光年の地平を見つめつづける
目的地をもたず、ただあてなく
さまよいつづける運命のもの
怒りは稲妻をよび
迷いは雨雲をはらみ
悲しみは緑の草原となり
涙は雨をつむぐ
かれらは、流れる涙を
ゴーグルに隠し、ひとり闇を疾駆する
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