神社とチャーリー/吉田ぐんじょう
 

硬貨がちゃこんと入ると
大きい鈴を鳴らして
手を合わせた
眼を閉じて何か一心に祈った
祈ると言うよりも
ただ胸のなかの
年々ふくらむ
ねとねとした油粘土のような
気味の悪いものを
全部外へ出してしまおうとしていた

わたしは
大きくなりたくなかったのだと思う
一年で十センチ以上身長が伸びるし
勝手に胸は膨らむし
体臭はだんだん女くさくなっていく
それなのに頭は幼いままで
このままいったら
誰かに迷惑をかけるんじゃないかと思っていた

神社にはいつもブラジルから出稼ぎに来た
黒人のチャーリーと云うおっさんが寝ていた
その人はよく小学校に出没し
男子で
[次のページ]
戻る   Point(7)