神社とチャーリー/吉田ぐんじょう
うっそうと繁った木々は
絡まりあって
もはやどこから始まっているのかわからない
しんせいなもののように
べったりとした朱い鳥居が立ちはだかっている
すぐ傍には側溝があって
いやなにおいが立ち上り
土は仄かに温かく
そこに立つと
人知を超えた何者かが
確かに生きているような気がした
神社だった
性教育を終えたばかりのわたしは
日曜日にいつも神社へ行き
小さいお財布から丸い硬貨を出して
賽銭箱へ投げた
お財布にはゲームセンターのメダルも幾枚か入っていたし
こども銀行の偽のお金も入っていたから
時々は間違えてそうしたものも投げたかも知れない
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