毒と果実としがらみの、/黒子 恭
 
八方の声に伴って
いしを砕く渇いた音がする
毒がまわる
のたうちまわる
 
回転木馬のしんぜうを
握り潰した私の
血と涙に違いはあるか
精神の死を願う
 
空を飛ぶ夢を見た。
見ただけで終わったので殺してやりたくなった。
シナプスの陰謀、それは
ガラスを散りばめた砂漠に似ている
体をズタズタにしながら
砂を呑み込むように
クロウルを繰り返す
 
翻した昨日に浸かり
魂はことごとく点滅している
街の流れだ、あれは。
そう呟いてひとしきり
唇を舐めた、懐かしい味
 
くされっちまった果実をほうばり
私達は毒になりたかったのだ
メンソウルの煙草を食む
煙が逃げる
目で追う/愛でる
暴力でねじ伏せた
果実の汁がなれの果てだ
 
 
 
 

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