花へ/くろね
 
予定通りの強い雨が
予想以上に私を責めた
甘えた子供を何処かで捨てて
寂しい大人を背負って濡れた

気づかぬ内に壊れた夢は
紅く錆びて巡ればいい
眩暈のするような強さで

眠りを忘れた羊たちの
世話に追われて私は閉じた
隠れた子供をそのまま置いて
煩い大人も破いて捨てた

鳴らないリズムを渡されて
狂った歌で夜を明かす
気を失うような遠さで

気づかぬ内に通り縋った花へ
闇の中で未だ咲いていて欲しい
誰もが泣くような蒼さで
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