アオリ烏賊/北村 守通
 
銀色の
波に揺られて
揺れる
七色

ちらり
ちらり
降り積もる
銀色の
鱗の雪の下で
手を
伸ばしてみる
七色


銀色の
波の下に
静かに波打つ
七色

お月様の
中を横切る
銀色の群
この
腕が触れたなら
逃げる
逃げるか
月の中
連れて行かれるのか
海出て
空出て
宇宙を抜けて
月の海へ
静かの海へ


銀色の波が
寄せて
返す
銀色の雪が
舞い上がり
漂う
七色は
茶色く
収まりて
差し伸べてた腕を
引っ込めて
目を閉じ
深く
水吐き出して
真っ黒な
真っ黒な
岩の向こうの
深みへと
深みへと
沈んで行った
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