耳掻き/小原あき
 
き声が聞こえて
なんだかわたしまで泣きたくなって
掃除もろくにできないで
埃を相手に愚痴まで言い始めて
まだ、死んでなかった虫はわたしの肩を抱いて
ダイジョウブ
なんて言うもんだから
本当は木とか空とか見たいんだよ
と怒って虫を叩き殺してしまい
どうしようもない罪悪感があったんだけど
何やってんだろって
何やってんだろって
耳掻きなんてしなければ良かったって
埃を踏みつぶさないように
体育座りをしながら
ただ、眠くなって
全部、夢になるのを待っていた


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