濃密な五分間/北村 守通
目の前の
バイパスも閑散とし始めたら
フライを巻く
錆びだらけになったバイスに
フックを挟み
鹿の尻尾の毛やら
孔雀の胸毛やら
アルミのテープやら
色々合わせて
コーディネートする
自分自身
オシャレとやらにゃ
無頓着で
ともかく
一杯詰め込めて
動きやすけりゃ
それでよし
としているが
フックは
自分ではないので
失礼のない様に
慎重に
コーディネートする
勿論
刊行されている
雑誌類を細かくチェックし
流行りのパターンを試してみることも忘れない
デザインが決まったら
ボビンを手に取り
シザー
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