「あなたの水面が揺れている」/ベンジャミン
あなたの揺れる水面が
まるで涙のように見えたので
やさしくなだめたくなりました
あなたは水際にたたずむ
一羽の渡り鳥のようでしたから
どこかへ行ってしまいそうで不安でした
あなたが水をきるように羽ばたくとき
そのとき揺れる水面が
僕の姿を揺らしてしまうから
あなたをしっかり見つめていられるように
その水際であなたを待つことにしました
あなたの揺れる水面が
まるで心で感じる何かのようで
僕の真実が水面に映ってしまいそうでした
それはとてもこわいとも思いましたが
それでいいのだと思い直しました
どんなに季節が流れても
つまさきで水をきるように
羽ばたくあなたの白い水しぶきが
ただ美しいと感じられるまで
僕は揺れる水面に映る自分を
しっかりと見つめようと思います
やがて穏やかに
ただ一枚の鏡みたいになるように
本当は自分の涙で揺れている景色が
やがて穏やかに
ただ一枚の鏡みたいに静まるまで
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