紫陽花/
アハウ
梅雨の合い間 合い間に
カンと響くような乾いた空気の日に
移り気のように 淡く
心模様が小さな声を立てている
軟らかな手毬の感触
煌びやかな蝶が羽を休め 行き交い
正しく極楽浄土のおもむき
紫陽花の咲く
この山道
雨よ 降れ
傘の花が咲くほどに
そんな昼下がりには
水滴は玉の零るる
紫陽花はしっとりと濡れて
戻る
編
削
Point
(1)