120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで気が狂った男が綱渡りをしている/ホロウ・シカエルボク
120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで気が狂った男が綱渡りをしている
彼の目は落ち窪みもはや世界を見るための確かな光はそこには無い
生まれてから40年近く繰り返してきた言葉たちも
綿毛のようにふわふわとどこかに飛んで行ってしまった
120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで綱渡りをしているわけは
もしかしたらそいつらの背中をなんとか見つけようとしているのかもしれない
120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで気が狂った男が綱渡りをしている
120階と150階の感覚はおよそ500メートル
その街のメインストリートの上にかけられた幅数センチのブリ
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