朱夏/きりえしふみ
ぽい……陳腐な 醜い あの文字の一群のように まるで
恋しい男の唇を以ってしても 引き起こされなかった 朝と昼を
二人まとめて無理矢理外気へ 放り投げて接吻するかのよう! なその強引さで
求められたい……求め合いたいんだろ?……ダレカに……ダレカと
二十代の色を未だ 色濃く着込んでいる 滴らせている僕らは
その若さのまま……その熱さのまま
すまし顔 ハイヒール 名刺などを 屑籠に投げ捨てた
(ジリジリ焼かれて……焼いてみたい……お前……ダレカ……ダレカと……混じり合い……たい?……)
(c)shifumi kirye 2008/06/16
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