ふくろうと月光/
小原あき
鍵を確認する
彼の光は結構明るい
わたしが見たいところだけ
照らしてくれているせいだろうか
玄関の鍵を確認して
台所の火の元を確認する
階段を上がる際
振り向いて彼を見る
わずかに呼吸しているのがわかる
ありがとう、と言うと
鳴いた気がした
それは風の音かもしれなかったけれど
電気を点けずに階段を上がる
ふくろうの光で
ベッドから見える窓を開けると
月が
ふくろうの目と同じ色をして
呼吸していた
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