テレビのこと/吉田ぐんじょう
 
きゃはきゃは と小さな笑い声がした
留守番をしている日曜日
レースのカーテン越しにガムシロップのような
とろりとした陽光が射していた

読んでいた本を伏せて
誰もいないひんやりとした畳を這い
笑い声の聞こえてくる場所を探った
そこはテレビの裏側だった

コードがうねくっていて埃の溜まっている空間に
司会者のような派手なジャケットを着た男の人と
レースのふわふわしたドレスを着た女の人が
しゃべりながら笑っていた
どちらも小指の爪ほど小さくて
ぷっと潰したら死んでしまいそうだった

眼をこらしてみる
その二人を知っていた
先週テレビに出ていた二人だった
ああ や
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