「問題文」/菊尾
れ出した。非情に思えるかもしれないがそうする以外他になかった。
だが困ったことに自覚のない者はここから出て行こうとしてしまう。
先ほどまで正常だった男子生徒もどうやらおかしくなってしまったらしい。幻覚が見えるのか後ろの席に振り返って何かを渡すような仕草をしていた。
そこには誰も居ないのに。
彼は最初からそうだったのかそれとも途中から発症し始めたのか?
・・・もしかしたら私が発狂させたのかもしれない。そんな可能性もあるな。だとしたら私の罪は償いきれないものだろう。
彼は今では一心不乱に机に「気が触れたのは僕です」と書き殴っている。外へ連れ出さねばならない。
私は間違ってい
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