いまも何処かで/
吉岡ペペロ
抱きしめてやると
思ったよりも簡単に
くずれるときの声を出した
髪の毛から
あまい胡瓜の香りがする
たがいの爪で
たがいの肉にわだちを描いた
俺は十八だった
きみは二十六だった
いまも何処かで
その日が繰り返されている
そんな気がして
抱きしめてやると
思ったよりも簡単に
くずれるときの声を出した
髪の毛から
あまい胡瓜の香りがする
たまに目を合わせては
またべつのほうを見つめていた
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