虚無の実在/ジム・プリマス
自分たちだけが
正しいと信じている
あいつらから
感じるのは
人のよさそうな顔の裏側に
見え隠れしている
肥大した自己愛
そこに膿のように蓄えられている悪意
そしてその後ろ側には
居心地の悪い
果てしない虚無の淵
なんでこんな人間が生まれるのか
あいつらの悪意の底深さを思い知らされたとき
その罠にとらわれそうになったとき
なぜそんなに人を憎むことが出来るのか
そのことが不思議だった
そんなやりかたでは決して
幸福にはなれたりしない
それすら分からなくなるまで
虚無が無残に魂を食い尽くしてしまっているのに
まだ信じている
その現実が信じられない
僕はただ救いがたい虚無を感じて
また居心地の悪い後味の悪さを感じて
無口になってゆく
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