追い掛ける、空と朝と/霜天
 
深々と 静寂な
海にたゆとっていたいんだ
言葉の羅列の大通り
耳を塞ぎたいときもある
その合間にも
世界は回転している


触れるのは少し痛そうだから
ベンチに深く沈みこんで
とりあえず
吸わない煙草の吸う真似をした
そうしたって
どうにかなるわけでもないけど

次第に騒がしくなっていく世界に
とりあえず耳栓を探しに
君からの電話も少し痛いので
とりあえずの「ごめん」が
ビルの裏の空で反転している

公園の
去年の落ち葉が重なってる辺りで
ベンチに
深く深く沈みこんで
騒がしく回ってる世界を見てる
真似だけだった煙草なのに
なぜかいつまでもむせた


少しだけ休んだら
その回転を追い掛けるから
青いままの空と
変わらない朝とに
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