「明日のこと」/ベンジャミン
仕事から帰って
明日のことを考えようとしたら
なんでだろう
涙が出てきた
明日が嫌なわけじゃない
明日があるって素晴らしいと思う
なのになんでだろう
涙が止まらない
そんな夜にはきっと
明日になっても明日のことを考えたら
やっぱり涙があふれるんじゃないかと思う
そう思うと
よけいに涙がこぼれだす
辛いことを思い出したわけでもなく
悲しい記憶にさいなまれたわけでもなく
ただ明日のことを考えるだけで
涙が止まらない夜がある
そういうときは
夜通し泣いて
時計が日付けをまたいだら
今日になっているから
今日を精一杯生きようと思うまで
泣きたいだけの涙を
枕にしみこませてやる
枕が僕の顔のかたちになるから
それをそっと抱きしめてやる
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