「彼女は無糖派」/菊尾
こちなくて遠慮とかあって
今みたいなふざけ合いも出来ないで、それでもなんとなく、この人とこの先一緒に生きて行く事になると
確信めいたものをどこかで感じとっていた。あの日も隠れたくなるぐらい寒い日だったっけね。
きっと独りで生きて行くんだろうなと思っていた。
誰にも理解なんてされないで、それも仕方ないかなって諦めていた。
そんな自分を受け入れてくれたのは彼女。認めてくれたのは彼女。
お互い感情的になってしまう悪い癖で何度も喧嘩をしてこれからもきっとそうで、
けれどその度にお互いの距離が深まっていった。
それはいつも最終的にはお互いの価値観を認めることができたから。
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