瞳を閉じ、深呼吸している最中 こう思う/成澤 和樹
 
一秒ごとに変わってゆく構造の中で
壊れてしまいそうな歯車がある

行き場を失ってしまいそうな
機械仕掛けの心がある

何が善くて何が悪くて
それでも目の前にあるものだけが事実だって

例えそれが嘘でも
受け容れなきゃいけない時がある

様々なルールブックに重ね合わせて
イエス ノーと

一冊だった頃はよかったけれど
もう面倒くさい

そう思ったとき
嘘も何もかも同じものに見えたんだ

全ては同じ価値を持っていて
総てはこの瞳(め)にどう映るか
それが真実

そう考えたとき
ボクの歯車はグルングルンと回りだしたんだ

行き場も行方も知れず
何処へでも歩いてゆけるようになったんだ

総ては自由に受け容れよう
そのままの瞳で

機械仕掛けの心に映る事実
忘れることのない真実 
大げさなことじゃない

歩きだそう これからは
漂うように進んでゆこう
戻る   Point(0)