創世記/かいぶつ
家族を作ることは
新しい歴史を創ること
新しい部族の
新しい人類史が始まる
僕らはスニーカーを履いた原始人
訳もわからないまま抱き合った
傷は柔軟な肌触りになり
錆付いた蝶々は
散り散りになり 飛んでいった
突然、彼女のへそが萌芽した
それは あっという間に花を咲かせた
そして宇宙と口喧嘩を始め
あっというまにに仲直りした
僕はコンクリートを駈ける狩人
子供の息を潜め 大人の槍で猪を獲る
彼女は屋根のほつれを縫いとじ
素敵な刺繍を施してくれた
食欲旺盛な裸足の花は
僕がいちばん恐れる怪物を
大きな口で食べてくれた
僕は少し勇ましくなった
それでも夜はいつも不安だった
ふたつ並んだ寝顔を見たら
僕は少し安心した
夜明けはいつも眩しかった
空はどこまでも続いていた
何もかもが ただ輝いていた
僕は朝陽へと駈けだした
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