日常の意味/智哉
幼い頃はトカゲのちぎれた尻尾を大切にするような子供だった
今や部屋の中を横切るコバエにさえ鳥肌が立ち殺虫剤を携帯する始末
時は絶え間なく流れ僕はとめどなく変化している
田舎の母は未だに生活費を心配し米と共に大量のカップ麺を送ってくる
今頃手付かずの米櫃では白い虫が羽化していることだろう
時は無情に流れ続け僕は無駄な毎日をただ排泄しているにすぎない
ただ淡々と移り往く毎日のどこかに
もしもあなたが居てくれたなら
この日常に意味を求める事すら辞めた僕も
再び空の雲の形にさえ意味を感じられるようになるのだろうか
無論、そこには答えも保証もないのだが
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