ホットタイガー/北村 守通
 
私は
灰色であり
黒であり
白である

そしてまた
私は
紫であり
青であり
赤である


その明確な境界を
私は知らない


『季節へのまなざし』
という詩を歌って
その
色彩の嵐の中で
私の目は
色を認識する力を失ってしまったのかもしれない
『石家荘にて』
という詩を歌って
私の心は
佇む遊女に奪われてしまったままになって
自分の傍らに
誰に居て欲しいのかを
じっくりと塾考する力を失ってしまったのかもしれない
実際
私は遊女を探し
それぞれを
愛し
語らったが
それらは決して
ぴたりと符合することはなく
決して
灰色が
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