ソロパート崩落/高島津諦
黄色いニュースが
少女が青年に襲われたと呟いている
放送コードを守った言葉で
暴行されました
乱暴されました
それに耳を犯された私は
どこまでやったのかなあ とか
どんな風にやったのかなあ とか
私もねちっこくやりたい とか
私も優しくやられたい とか
そんなことばかり考えて
そんな言葉から逃げられなくて
そういう自分を発見しては
恥に浸り
悦に浸る
型に嵌ったよいこだったから
汚い言葉を使わないできた
無菌
潔癖
不自然な白
だから今
汚いことを考えて
私はこんな面もあるんだって
白を濁らせようとして
でもやっぱりよいこだから
思うだけ
型に嵌まってきた人間は
自由になったらカタナシになる
つまらない冒涜的思考
つまらない自慰的行為
つまらない言葉紡ぎ
そんなことをして
自分を確かめなくちゃ
広い広い世界の中で
波打ち際の砂の城のように
ほろほろと崩れてしまう
ほらまた
一欠けら
落ちた
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