半そで/RT
針葉樹林が白くなる季節
男は私を森から連れ出し
街で半そでのブラウスを買い与えてくれたので
私は夏まで生き延びねばならないと思った
男は私をバニラと名づけ
おまえはアイスクリームだなと甘く囁く
やがて季節は流れ
初めての半そでに腕を通し
手を引かれるまま夏の街へ繰り出した
光線に目も開けられない
刺激に瓦解しそうな体を守ったのは
以外にもあのブラウスだった
引き回され、男の好いようにとろかされた私は
戻ると、男のあつらえた枠に押し込められた
冷たい部屋で意識を取り戻した私は
枠からそっと抜け出して
自分の新しい輪郭を撫
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