ぷあるちゃあ/m.qyi
ぷあるちゃあ
靖一郎がどう考えても判らんという。
そこで城狐が使いに来たと山田さんが言うので、画商の話。
ある男が可哀相な話をというが、僕は聞いてみた。
シャルダンでは時代が違うし、ある男がいて、あるとき、災難にあった。そこで鍵を掛けて家に閉じこもったそうだ。ところが外から見られるのも嫌だったのでカーテンを閉じ窓の蛇腹を閉じて、窓にも鍵をこしらえて締め切ったそうだ。しゃありょうな。
ドアの郵便受けの穴だとか、煙突などには目張りをして盗み聞きなど少しもされないようにした。何年もかかって、家の周りには堀を掘り、銀座みゆき通りで石垣を築いた。飛行機で爆弾でも落とされてはと心配し、い
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