初夏の白昼/麒麟
 


つぅっとタバコ、吸うたびに
大人になると、思っていたよ
つぅっとタバコ、吸うたびに
少し汚れて、しまったけれど

んーっとタバコ、吐くたびに
あの子が嫌な、顔してさ
んーっとタバコ、吐くたびに
魂がほら、ゆらゆらゆゆら



音が空気を、染めてしまって
うっとりしたら、うとうとしたり
音が空気を、染めてしまって
ゆったりなゆた、ゆらゆらなゆた

音が空気を、染めてしまって
時計がカチリ、目がパチリ
そんな空気は、忘れちまってさ
ふらふらふふふ、みな踊りだす



新しい、初夏の白昼
風は涼やか、薄着をくぐり
街は今、恋の季節に
乙女深々、薄着をまとい
男も少しは、ウソでもつかにゃ

夜花火、海辺にすわり
思い出が、夜に浮かんで
街は今、恋の季節に
神様が、切なさをまく
きっとあなたも、許してくれる

朝げなら、おにぎりでいい
灰が蒼で、くすんでるから
街は今、恋の季節に
あらわに素顔、朝日が染めて
小指を結んで、消えてゆくのだ

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