部屋/山中 烏流
 
 
 
捨てようとしたものは
様々な色を持って
どんなときも
私の中で弾けているの
、と
 
そう言ったのは
昨日の私だった
 
 
 
生温い肌が
ゆっくりと/音をたてて
昇華する度に
私だけの窓辺から
吹き射した、一迅
 
ありふれた風景は
いつも、
決まった速度を持って
そして
何の合図もなく
解けてしまうことを
私は知っている
 
 
随分と長く
こうしている気がして
足元を見たら
崖になっていた
 
落ちないように覗くと
底は水溜まりで
そこに、私の顔は
映っていなかった
 
 
 
守ろうとするものは
早過ぎる答えのもとに
いつも
手の中を摺り抜けていくの
、と
 
そう言ったのは
今日の私だった
 
 

戻る   Point(2)