犠牲/AKiHiCo
 
運命

僕が兄さんを
救ってあげるから
だから目蓋を閉じて
歌おうよ

雫は限りなく赤
悲しみ走る部屋の
その端で崩れて消える
鎖だけが後に残り

どうして
こんな運命が在っただろう

兄さん、呪いが解けたよ
僕もすぐ行くから
やっぱり兄さんの傍に
居させてね

涙で視界が滲む
彼の笑顔が
苦しくても笑っていた彼の
表情にいつも救われてきた
本当は痛かっただろうに
僕も笑った一緒に歌った
村の人たちが
彼の死を喜び歓声をあげた
これで村が繁栄すると
身体を縛っていた鎖が解かれた







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