軌道のそよぎ/
信天翁
小春日和もうれしいものだが
一週間も続いた曇天が
フェードインする
梅雨の晴れ間もひとしおである
しらはえが光のやさしさを
教えてくれて
もう いま以上には接近しそうのない
カイロスの後ろ髪
そして クロノスの前髪
わたしはなにを掴めばいいのだろう
土鳩がどこから帰ってきたのか
逍遥するプロムナードの先で
地面をしきりとつついている
あゝ そうだ
わたしもノックしなけりゃならないんだ
窓のない部屋のドアに向かって
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