月の下に/遊佐
 
満天に輝く星が失せ月満ちたなら
花咲き誇る野に出でよう

春霞、薄絹の衣を纏い夜露に身を沈める君を鎮める為に

蒼い青の光受け
愛を藍に染める君の
儚くも甘美な情を探りに出かけよう

刻は宴の盛り
時は旅立ちの頃
寒さも紛れ
暑さはまだ遠くに

乱れる心を持て余し
眠り就けない君の
安らぎを満たす為にと
静かに魂を解き放ち
余生を満たすべく
彷徨う僕の為にと
然るべき理由なぞつけて
泡沫を楽しみに行こう

白き花びら
紅く染めて
咲かせる幻
月に、光の陰から覗き見る世界を認め
夜に朝を求めて…


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