夜の空になる/結城 森士
 
振り返れば、蒼ざめた空
眩しすぎる光が、あたしを責める
光が、眩しすぎる





5年もの歳月
あたしはずっと
ひとりぼっちで
部屋のなかで暮らした
外に出ることは極稀で
それも大抵、深夜になってから

あるひ、
あるひのおひる
あたしは目覚めた
あひるの目覚まし時計が
急に鳴ったのだ
それは、小学校の頃にお父さんが
誕生日プレゼントに買ってくれた
あたしの大事な目覚まし時計だった
でも、4年も前に電池が切れていた
電池切れのあひるの目覚まし時計が
可哀想なあたしを起こしてくれた
そう思った途端、
あたしは自分の犯してきた 罪 に気づいた

[次のページ]
戻る   Point(2)