猫の記憶/
ホロウ・シカエルボク
むしろ、そんなものは叶わないほうが良かったのだ、そう言ったら
それは男の傲慢というものだと
あのひとは、僕を諭すのだろうか
傲慢でない思いというものがうまく想像できない
そういう点で間違いなく僕は子供なのだ
だけど
恥ずべきことでないのならそれは触れなくてもいいことではないだろうか?
路地裏へ、気取られず、消えて行く
あなたの足音が聞こえる
そのうつくしい毛並みを
面影だと
僕は
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