ある断層について/たりぽん(大理 奔)
 
 
知らないことが多すぎるけど
それは知りたい事じゃない

空が青いときは
 夜の暗さを忘れるように
  星空を見上げるときは
   雲の形を忘れるように
    二人はずれていく、すこしずつ

      打ち抜き損ねた
       だるま落としのように
        中途半端な言葉で
         ずれながら立ち尽くす
          どうせなら崩れてしまいたいのに
           許されないのは、きっと
            ルールの選び方を間違えたから

断層には正しいも間違いもなく
積み重ねた真実の名残だけが
地質学者と考古学者を待っている
過去を嘆くものはわすれるだろう
新たに積み重なる火山灰を


   知りたいことが多すぎるけど
   それはとても奇妙なことばかり

そこにあるだけでいい
そうだね
それが一番大切な
君といっしょにいるということ
いつまでもいるということ

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